ボーダフォン

ボーダフォン、SAP S/4HANAのスピードとイノベーションのためにテスト自動化を促進

会社概要

ボーダフォンは常にイノベーションを促進しています。ボーダフォンは1985年に世界初のモバイル電話通信を実現しました。現在、ボーダフォンはヨーロッパ最大の5Gネットワークおよび世界最大のIoTネットワークを稼働し、スマートメーターから健康管理ソリューションまで、1億以上のさまざまな規模のデバイスを接続しています。アフリカでは最大規模の課金プラットフォームを構築し、現在、急速に金融業務にサービスを展開しています。ボーダフォンのイノベーションに対するコミットメントは、SAP S/4HANAの早期導入につながり、たった10ヶ月間で、世界最大5位内に入る規模の導入を実現しました。

同社のイノベーション戦略において、課題となっている事項が一つありました。ソフトウェアのテストにおいて、長年利用していたテストソリューション (HP/Micro Focus UFT) が品質保証チームの足かせとなっていたのです。テスト自動化の構築において克服しなければならない障壁が多く、一方で進化を続けるアプリケーションに追従するためにリソース集約的なアプローチを取らざるを得ない状況が何年も続いていました。しかし、既存のテストソリューションでは、大規模な移行プロジェクトである、新しいSAPのテクノロジーをサポートすることができず、しかもより頻繁に短時間で行われるリリースサイクルに対応することも必要となり、品質保証チームのリーダー達は、新たなテスト方法に切り替えるときが来たことを認識しました。

課題

  • スクリプトベースのテスト自動化は、習得に非常に多く時間が必要であり、また専門技術を備えたエンジニアが必要であった
  • S/4HANA移行プロジェクトの厳しい納期内に、必要なテスト自動化が作成できない
  • 既存のテスト自動化ソリューションは、最新のSAP テクノロジー(S/4HANAおよびS/4HANA Cloud、Fiori、Concur、SuccessFactors)とSAP GUIをサポートしていない
  • アプリケーションの変更により、テストケースの維持が面倒になり、多くの労力が必要となった
  • 複雑なアプリケーション環境(500以上のインターフェース、7社のクラウドプロバイダと統合)であった
  • 要件、テストプラン、テスト結果のトレーサビリティが欠如していたため、全体的なリリースの準備状況を評価することが困難であった
  • 問題発生時には大規模なベンダー支援が必要で、遅延と高コストを招いていた

ソリューション

ボーダフォンは、徹底的な要件分析と審査の結果、SAPのテストにおいて業界をリードするTricentisなら品質保証チームの生産性とスキルセットを最大に活かすことができると判断しました。Tricentisのモデルベースのアプローチによるテスト自動化が決定要因でした。このアプローチにより、テストエンジニアはソリューション導入後、迅速に(多くの場合1日だけで)作業を開始することが可能な上、以前のスクリプトベースのソリューションに比べて2倍のスピードでテスト自動化を構築することができました。導入後1年以内に、主に手作業に依存していたテストプロセス(自動化はところどころに採用)から、ビルドごとに、ビジネスプロセスをエンドツーエンドで自動的に検証する継続的なテストプロセスに進化しました。

ボーダフォンのイノベーションに対する全社的コミットメントに沿って、テストチームは、このテストの成功を次のレベルに押し進めていくことを検討しています。Tricentis Data Integrityを活用した、データインポート、データ統合、データ変換のテスト自動化、またTricentis LiveCompare による変更影響分析も既に視野に入っています。LiveCompareを活用することで、SAPエコシステムを分析し、SAPの変更に伴うリスクに対応するために必要なテスト項目を的確に特定することができます。

「導入後1年以内に、主に手作業に依存していたテストプロセス(自動化はところどころに採用)から、ビルドごとに、ビジネスプロセスをエンドツーエンドで自動的に検証する継続的なテストプロセスに進化しました。」

成果

  • 自動テストケースの作成を200%高速化
  • 440日の作業日数削減(初年度)
  • 81%のエンドツーエンドの機能テストを自動化
  • S/4HANA全体で70%のテストを自動化
  • 継続的テストをCI/CDパイプラインと統合し、即時フィードバックを実現
  • 1万件以上のUFTテストをモデルベースのテスト自動化に移行
  • HP/Micro Focus UFTを完全にリプレース
  • 一元管理された品質レポート機能により、リリース決定に関するステークホルダーの信頼度が向上
  • 手動テスト実行者がテスト自動化スペシャリストとして認定
  • 専門知識やベストプラクティス、テスト自動化リソースの最適化と共有を図る「実践コミュニティ」を設立