グローバルバンク

大手グローバル銀行がTricentis ToscaでOracle Fusionへの移行を加速

会社概要

銀行の世界は急速に進化しており、クラウドはその変化を後押ししています。デジタルバンキングのリーダーとして知られる世界トップ15の金融機関は、コアバンキングシステムであるOracle FLEXCUBEをクラウドに移行することで、大規模な変革の基盤を築こうとしています。この移行は、1年半から2年を要すると想定される重要な事業ですが、従業員と顧客は、Oracle Fusionが提供する柔軟性、スピード、およびセキュリティ機能を活用できるようになります。

段階的な移行計画では、75から100のリリースが週単位で行われると予測され、リスクを最小限に抑え、コアバンキングプロセスが期待通りに機能し続けることを確認するために、本番稼動前に各リリースを徹底的にテストする必要があります。既存の手作業によるテストでは、リリースサイクルごとに約21時間を要しており、このような短期間で必要なテストカバレッジを確保することはできませんでした。テストチームは、移行のためのテストをスピードアップする方法を見つけると同時に、クラウド移行後の寄り頻度が高いリリースに対応できる持続可能な戦略を構築する必要がありました。

  • Arrow Icon
    業界: 銀行
  • Arrow Icon
    従業員数: 240,000
  • Arrow Icon
    所在地: グローバル
  • Arrow Icon製品:

課題

  • Oracle FLEXCUBEからFusionへの複雑な移行には、複雑なテストが必要であった。
  • 既存の手作業によるテストでは、毎週のリリースに対応できなかった。
  • チームは、クラウド移行後のより頻度が高いリリースに対応できるテスト戦略を必要としていた。
  • 四半期ごとにメジャーリリースに対応する新しいテスト手法を構築する必要があった。

Oracle Fusion移行に向けた最新のテスト戦略の構築

テスト担当副社長で移行タスクフォースの責任者とそのチームは、厳しい移行スケジュールと、将来的により頻繁にリリースが行われるクラウド環境の両方に対応したテスト戦略の策定という、ユニークな課題に直面していました。

Selenium、Worksoft、UFT、OATS(Oracle Automated Test Solution)などのソリューションを評価し、最終的にTricentis Toscaを選定しました。Tricentis Toscaは、コードレスで迅速にテストを自動化できることに加え、Oracle Fusionをネイティブでサポートし、Jira、Zephyr、Bitbucket、Jenkinsなどの組織が承認したツールとの統合が容易であることが評価されました。

また、Toscaのカスタマイズされたレポートや、Tricentisの卓越したクライサポートチームのレスポンスタイム、他のツールと比較して、Toscaの統合開発環境(IDE)が格段に安定していることを高く評価しました。Toscaによるテスト自動化は、Oracleのオンプレミスとクラウドの両方のアプリケーションに対応しているため、テスト自動化を一度構築すれば、両方の環境を利用する移行中だけでなく、すべてがクラウドに移行した後でも、活用することができます。

テスト自動化でOracleのモダナイゼーション一気に加速

新しいテスト自動化ツールを選定した後、この重要な移行プロジェクトのために、戦略的プランとロードマップの構築を開始しました。まず、初期の移行フェーズで影響を受ける、Oracleを利用している主要なビジネスプロセスのテスト自動化を構築することから始めました。

現在までに、7つのOracleモジュールをカバーする64のリグレッションテストを自動化し、オンデマンドでCI/CDパイプラインにて実行可能にしました。最初の週次リリースのテストは合計2時間46分で完了し、同じテストを手作業で実行した場合の21時間から大幅に短縮されました。テスト担当副社長は、「従来の方法では、このような週次テストをすべて実施するのは非常に困難で、QA部門のテスト時間のほぼすべてを占めてしまっていたでしょう」と述べています。

Oracle Fusionの完全移行には75~100回のリリースサイクルが必要と予測されています。この最初の成功を再現することで、チームは合計1,800時間以上を節約できる計算になります。テスト担当副社長とそのチームは、Toscaのアーキテクチャに組み込まれたスケーラビリティを活用し、分散実行エージェントを使用して並列テストを実行することで、移行プロジェクト全体、そして移行後もさらに時間を節約する計画です。

このテストフェーズの成功をITインフラストラクチャー全体に拡げる

Oracle向けのテスト自動化の最初の成功は非常に大きな影響をもたらし、新しいテスト自動化チームを結成につながりました。このチームは、開発者と既存のQA部門の両方と緊密に協力し、開発者とテスト担当者の間のコラボレーションを促進する仲介役を担っています。これにより、ソフトウェアデリバリーチーム全体の主要な「シフトレフト」施策を加速しています。彼らは、ウェブ、UI、API、デスクトップ、モバイル、そしてSAPやSalesforceのようなエンタープライズアプリケーションのテスト自動化を容易に実現するToscaのスケーラブルなテクノロジーを活用し、テスト対象チームやテクノロジーに大きな価値を提供することが期待されています。

結果

  • テスト自動化を実現することで、毎週18時間以上を節約
  • 自動化されたリグレッションテストがCI/CDパイプラインに統合された
  • Oracle移行プロジェクト全体で、1,800時間の時間削減を予測
  • 当初の成功を受けて、新しいテスト自動化チームが設立され、QAと200人規模の開発者プログラムとのコラボレーションを推進することになった。